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faq

ギ酸サイレージ、発酵、質問あれこれ

サイベスト(ギ酸)を使うと乳酸発酵まで抑えられてしまうのではありませんか?
そもそも、サイレージに乳酸は、なぜ必要なのでしょうか。乳酸発酵によってできる乳酸は、決してそれ自体が栄養となるものではなく、サイレージの不良発酵を防ぎ、飼料の栄養を保存する作用を持っているだけです。しかも、その作用については、乳酸よりもギ酸の方がはるかに有効であることは、いろいろな研究で実証されています。
 また、乳酸発酵は、牧草中の重要なカロリー源である糖分を消費して行われます。その点、サイベスト(ギ酸)添加の場合、低温発酵により、糖分消費も少なく、タンパク質やビタミン類の歩止まりも非常に優れています。
 一方、食い込みについても、サイレージに乳酸を故意に添加した実験では、落ちるという報告があります。
冷夏で雨の多い年でも、サイベスト(ギ酸)を使ったところでは良いサイレージができていると聞きましたが、本当ですか?
刈り入れ時に、雨が多いと大変ですよね。雨が降る度、刈り入れ作業を見合わせる酪農家さんが大半ではないでしょうか。そのような時でも、サイベストを使っておられるお宅では、少々の雨ならどんどん作業をすすめておられます。しかも、そうしたお宅で良いサイレージができているのは事実です。サイベストは、もともと良質の高水分サイレージを失敗することなしに作るために開発されたものです。刈り取り段階あるいはサイロ詰め段階でサイベストを添加すると、濡れたままの牧草であっても、異常な発酵を抑え、タンパク質などの栄養素を保存した良質のサイレージができるのです。このことは、日本の農業試験場や外国の研究所などでも十分に認められています。
サイベスト(ギ酸)を添加するとサイレージの排汁量が増加するということを聞きましたが、牧草の栄養分まで流れ出てしまうのではないでしょうか?
ギ酸を添加すると、確かに牧草の排汁量は増えます。これはギ酸添加により、牧草の表面組織のクチクラ層のワックスが変化を受け、水分流出抵抗が小さくなるためです。そうなると排汁量が増え、牧草中の可溶性物質の溶出も増えて、その結果乾物回収率は低下するように思われますが、実際は逆で、排汁率の高いギ酸添加サイレージのほうが乾物回収率及び養分回収率が高くなります。   
  飼育成分回収率(%)回収栄養量(%)*1
水分 乾物 粗タンパク質 N-FE*2 DCP TDN DE
無添加 80 80 62 59 100 100 100
ギ酸添加 75 84 91 74 165 122 134

*1…無添加サイレージの数値を100とする
*2…可溶性無窒素物
農水省北海道農業試験場

 上の農水省北海道農業試験場の試験結果では、排汁率の高いギ酸添加サイレージのほうが、かえって乾物、養分の回収率が高く、排汁による損失よりも発酵損失のほうが乾物養分回収率を大きく左右していると考えられます。事実、一般にギ酸添加サイレージは発酵温度が低く、可溶性炭水化物が多いことは、この事を裏付ける例証といえます。
マメ科牧草をサイレージにしていますが、なかなか発酵がうまくいかず毎年苦労しています。マメ科牧草には特にサイベスト(ギ酸)が良いと聞きましたが、どのような理由からでしょうか?
マメ科牧草はイネ科牧草に比べ、タンパク含有率が高く、タンパク要求量の多い泌乳牛にとって理想的な飼料と言えます。しかし、タンパク含有率が高い反面、糖分含有率が低く、それだけサイレージ調製が困難な原料草と言えます。不良発酵である酪酸発酵を阻止するためには、pHを下げるために乳酸菌にうんと乳酸を出してもらわなければなりません。ところが、いくら元気で優秀な乳酸菌であっても、彼らのエサである糖分の少ない環境では乳酸の出しようがありません。
 そこでサイベスト(ギ酸)の登場です。相手がたとえマメ科牧草であろうと、0.4%〜0.5%のギ酸添加でpHは瞬時に理想的な4.0程度まで下がり、酪酸菌の活動の余地のない状態からサイレージ発酵のスタートが切れます。
 また、マメ科牧草にブドウ糖を添加する方法も知られていますが、2%程度の添加量が必要で、サイベスト添加の倍以上のコストがかかり実用的とはいえません。
サイベスト(ギ酸)の添加効果として牧草の呼吸熱を抑える効果があると聞きましたが、具体的に教えてください。
植物は、我々人間同様酸素を取り込み、炭水化物、脂肪などを分解してエネルギーを得ています。この際得られる化学エネルギーが熱エネルギーに変わったものが、呼吸熱と言われるものです。植物は熱発生量が一般に少なく、体表面積が大きいため熱の発散が速いことから、植物の呼吸熱といってもピンと来ないかもしれません。
 サイレージの原料草をサイロに堆積しておくと半日で70℃にもなることがありますが、これは植物自身の呼吸熱と好気性細菌の呼吸熱とによるものです。
 いずれにしても、この呼吸熱は原料草中の糖分に大きなロスを生じ、その後のサイレージ発酵、栄養価に重大な悪影響を及ぼします。ある試験結果では、原料草収穫後30時間で水溶性糖分の68%が失われたという報告があります。
 サイベストの添加によるpHの急速な低下により、原料草の呼吸作用は通常の3分の1程度になり、糖分のロスを大幅に減少できます。同上の試験では、糖分ロスが13%にまで抑えられたとしています。
1番草もほぼ終了して、2番草の収穫に入る予定です。
1番草はサイベストを使用しましたが、2番草にもサイベストを使う利点は何ですか?
サイレージを作る上で、1番草と2番草の大きな違いは何でしょうか?それは、水溶性糖分(WSC)含量の差で、2番草の糖含量は、1番草の半分程度しかありません。
 サイレージの発酵(乳酸発酵)は、糖を栄養源として行われますので、糖含量が少ない2番草では、良質サイレージを作ることはなかなか難しいのが現状です。ですから、2番草では、少ない糖を効果的に使うためにも短期集中的な作業が必要です。
 その点、サイベストを使いますと、早刈り時期にもpHを瞬時に理想的な4.0程度に下げ、酪酸発酵を阻止し、効率的な作業ができます。その結果、臭いのない良質サイレージの調製が大いに期待できます。
サイベスト(ギ酸)の必要添加量が、マメ科牧草とイネ科牧草で異なるのはどうしてでしょうか?
サイベスト(ギ酸)の添加は、牧草のpHを4.0付近にまで下げ、酪酸発酵の阻止を目的としています。ギ酸のような強酸の添加によって牧草のpHは当然下がりますが、牧草には、こうしたpHの変化に抵抗する力、すなわち緩衝能があります。
 この緩衝能は植物細胞の原形質中の有機酸塩、リン酸塩、タンパク質、アミノ酸などによるものです。マメ科牧草の緩衝能はイネ科牧草の緩衝能の2倍程度であることが明らかにされています。つまり、草種によるpHの下がりにくさの差がギ酸添加量の差だといえます。
 いずれにしても、牧草の持つpH低下に逆らう力に打ち勝ち、pHを適正レベルである4.0にまで確実にもっていくには、ギ酸の添加はまことに理にかなっているといえます。

サイベストの使用について

サイベスト(ギ酸)を使うと、収穫機械が錆びて傷むと聞きましたが、本当ですか?
 確かにサイベストは、強い酸であり、機械を錆びさせる性質を持っています。しかし、ちょっとした手入れで大幅に解消できます。例えば、収納時に水洗いと油をまわすとか、毎日の刈り取りで最後の0.5トンだけをサイベストを使用せず、牧草のみで機械をまわすといった方法が効果的です。また、サイベストの添加方法も、ハーベスタでは、ピックの手前もしくはブロアーに添加する方法から、シュートの中頃から先端の間で添加する方法になり機械へのダメージはほとんどありません。
 錆びについてのご質問は、まだサイベストを使われていない方たちからよく聞かれます。しかし、一度使われた方は、錆びの心配は思ったよりないと口をそろえておっしゃいます。それよりも、サイベストを使うことにより安心してサイレージを牛に与えられることの方がメリットが大きいと喜んで頂けているのです。
サイベスト(ギ酸)のような強い酸を使ったサイレージを牛に食べさせても大丈夫なのですか?
絶対に大丈夫です。そもそもギ酸は天然に存在する物質で、実際に動物の胃液にも含まれており、牛の体内で代謝されるものです。また、サイレージに使うギ酸の添加量は、0.3〜0.5%と極めて微量です。もちろん、国内外の畜産試験場でのギ酸添加試験結果でもその安全性は保障されています。昭和47年には、世界的に権威のあるアメリカ医薬食品局(FDA)が、また日本では、飼料安全法が、ギ酸をサイレージ添加剤として認可しています。ということで、安心してサイベストをお使いください。

その他

サイレージの二次発酵について教えてください。
サイレージの二次発酵とは簡単にいえば、サイロ開封後の好気的変敗といえます。開封前のサイロ内は、炭酸ガス、窒素ガスなどで満たされ、一定の低いpH環境下にあり安定状態にあります。原料に付着し、詰め込み時に一緒にサイロ内に入った各種微生物は、この状況下では休眠状態にあります。  ところが、サイロを開封し、サイレージが空気にさらされる状態になると、空気のある状態で活動する微生物すなわち好気性微生物が目を覚まし活動を開始します。まず、酵母が適度な湿度、温度、養分(酵母はサイレージ中に生成された乳酸などを養分とする)によって活動を始め、サイレージの温度は次第に上昇します。そして、この発熱に刺激されカビが増殖を始めます。この結果、サイレージは茶褐色を呈し異臭を放つばかりではなく、牛の嗜好性の低下、消化率の低下、サイレージ乾物のロス、さらに乳牛の下痢、アルコール不安定乳の発生といった大きな損失を招きます。  予防策としては、サイレージの密度を高くすることが効果的です。そのためにまず、原料を刈り遅れないこと、均一で十分な踏圧を行うこと、そして予乾しすぎず、ある程度水分のある原料を詰めることが必要です。水分の多い原料を詰めることによって二次発酵は回避できても酪酸発酵が心配・・・・という方にはサイベスト(ギ酸)をおすすめします。
乳酸菌が生成する乳酸とはいったいどのような酸なのでしょうか?また、ギ酸と乳酸ではどちらがpHを低下させ、酪酸発酵を抑える能力が高いのでしょうか?
乳酸は、発酵産物、動物の筋肉や血液中などに広く存在します。乳酸そのものは、融点18℃、吸湿性のある無色のネバネバしたシロップ状の液体で、水溶液は強い酸性を示します。また、不揮発性の酸であるため臭いもありません。
 一方ギ酸は、アリの体内、イラクサの棘に存在する強酸です。
酪酸発酵を抑えるためには、原料草のpHを下げることが必要ですが、pHを下げる能力はギ酸の方が乳酸よりも強く、原料草をpH4.2にするのに乳酸はギ酸の約2倍の量を要するという試験結果があります。また、比較的高いpHにおいてもギ酸は乳酸と比較し、より強く酪酸菌の活動を抑えるという報告もあります。
牧草サイレージ用として、乳酸ではなくギ酸“サイベスト”を酪農家の皆様にお届けするのはこのような理由からです。
「pH」(ペーハー、ピーエッチ)という言葉を目にします。
「pH」について少し説明して下さい。
物質の性質を表すのに、酸性、アルカリ性という言葉を用いることがあるのは、よくご存知かと思います。「酸とは水に溶解して水素イオンを生じ、アルカリとは水に溶解し水酸イオンを生じるもの」というのが簡単な定義です。
感覚的には、すっぱい味のするものが酸、苦い味がして触るとヌルヌルとしてくるのがアルカリと言えるかも知れません。
この酸性、アルカリ性の度合の尺度が「pH」です。pH7を中性として、0~7が酸性、7~14がアルカリ性で、酸性は数字が小さいほど、アルカリ性は数字が大きいほど強くなります。
サイレージの不良発酵菌は酸性環境に弱く、特に酪酸菌はpH4.2以下では活動できないことが知られています。pH4.2とはビールよりも少し強く、コーラなどの清涼飲料水よりも弱い酸性度です。サイベストの添加は、原料草のpHを瞬時にして4.2以下にするためのものです。
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